ギターのコードの押さえ方には規則性のようなものがあり、コードの種類により固定された押さえ方があります。それを覚えておくと、咄嗟にコードを押さえる時に役立つはずです。先ずはメジャーコードで詳しく見ていき、その後にマイナーコードとセブンスコードを例に挙げて見ていきましょう。

ずれるメジャーコード(6弦編)

  • コード C の押さえ方
    コードCの押さえ方の指板図
  • コード C で鳴る音名
    コードCで鳴る音名の指板図

バレーコードのCに注目

①の指板は両方ともに、フィンガーピッキングのメジャーコードCです。①左の指板はよく見るメジャーコードCの押さえ方ですが、バレーコードを使う①右の指板でもメジャーコードCになり、それは②にも示す通り、同じ音名が鳴る事からも分かります。ここではバレーコードのCを覚えておいてください。

フィンガーピッキングのフォーム

ここに載せているのはフィンガーピッキングの、4本指で弾くコードの押さえ方で、ピック弾きの押さえ方ではありません。詳しくはフィンガーピッキングのコードの押さえ方を御覧ください。

  • コード A の押さえ方
    コードAの押さえ方の指板図
  • コード A で鳴る音名
    コードAで鳴る音名の指板図

バレーコードのAに注目

①左右の指板は両方ともメジャーコードAの押さえ方で、②で示す鳴る音名も同じです。ここでもバレーコードのAの方に注目してみると、先程のバレーコードのCと同じフォームをとっています。

バレーコードのC / バレーコードのA
バレーコードのC/バレーコードのAの指板図

押さえ方が同じフォーム

バレーコードを使用した方の、メジャーコードのCとAを改めて見比べてみましょう。押さえるフレットが違うのは分かりますが、同じフォームで押さえているのが分かります。この押さえ方は他のメジャーコードにも、当てはめてやることが出来ます。

  • コード F の押さえ方
    コードFの押さえ方の指板図
  • コード F#= Gの押さえ方
    コードF♯=G♭の押さえ方の指板図
  • コード G の押さえ方
    コードGの押さえ方の指板図
  • コード G#= Aの押さえ方
    コードG♯=A♭の押さえ方の指板図
  • コード A の押さえ方
    コードAの押さえ方の指板図

メジャーコードのフォーム

このメジャーコードの押さえ方を守れば、どれだけフレットをずらそうとメジャーコードになります。では、何を基準に何のメジャーコードになるのかと言えば、次のように6弦の音名が基準になります。

6弦の音名
6弦の音名の指板図

6弦の音名がメジャーコード

人差し指の頭で押さえる6弦の音名が、そのままメジャーコードになります。なので、6弦の音名を覚えておく必要がありますが、よく使うのは8フレット辺り位までかと思います。

コードの押さえ方は複数

コードの押さえ方ですが、1つのコードでも複数あるのが普通です。次も同じくメジャーコードですが、異なる押さえ方のメジャーコードで見ていきます。

ずれるメジャーコード(5弦編)

  • コード C の押さえ方
    コードCの押さえ方の指板図
  • コード C で鳴る音名
    コードCで鳴る音名の指板図

5弦からのバレーコードC

①右の指板の押さえ方でも見られる、5弦からのバレーコードでもメジャーコードCになり、今度はこの押さえ方を中心に考えていきます。他のコードでも確認しておきましょう。

  • コード D の押さえ方
    コードDの押さえ方の指板図
  • コード D で鳴る音名
    コードDで鳴る音名の指板図

5弦からのバレーコードD

①左のメジャーコードDは、恐らく最初に覚えるフォームです。①右のフォームでもメジャーコードDとなり、先程のバレーコードCと同じフォームだというのが分かります。

バレーコードのC / バレーコードのD
バレーコードのC/バレーコードのDの指板図

押さえ方が同じフォーム

改めて5弦からのバレーコードCとDを見比べてみると、押さえるフレットは違いますが、同じフォームをとっているのが分かります。これも押さえ方を維持すれば、他のメジャーコードに出来ます。

  • コード A#= Bの押さえ方
    コードA♯=B♭の押さえ方の指板図
  • コード B の押さえ方
    コードBの押さえ方の指板図
  • コード C の押さえ方
    コードCの押さえ方の指板図
  • コード C#= Dの押さえ方
    コードC♯=D♭の押さえ方の指板図
  • コード D の押さえ方
    コードDの押さえ方の指板図

メジャーコードをずらす

5フレットまでの例しか挙げてませんが、6フレット以降もフォームを維持すればメジャーコードです。今度は何を基準に何のメジャーコードになるのかと言うと、次のように5弦の音名が基準となります。

5弦の音名
5弦の音名指板図

5弦の音名がメジャーコード

これも人差し指の頭で押さえている、その時の5弦の音名がメジャーコードになります。なので、これも5弦の音名を覚えている必要があるわけです。

メジャーコードだけではない

メジャーコードを例に挙げ、ずらして使えるコードを説明してきましたが、他のコードでも同じことが可能です。次からマイナーコードと、セブンスコードを簡単に説明していきます。

ずれるマイナーコード

  • コード Fm の押さえ方
    コードFmの押さえ方の指板図
  • コード F#m = Gm の押さえ方
    コードF♯m=G♭mの押さえ方の指板図
  • コード Gm の押さえ方
    コードGmの押さえ方の指板図
  • コード G#m = Am の押さえ方
    コードG♯m=A♭mの押さえ方の指板図
  • コード Am の押さえ方
    コードAmの押さえ方の指板図

マイナーコード(6弦編)

人差し指のバレーコードだけで作れるのが、6弦の音名が基準になるマイナーコードです。ここでも5フレットまでしか例に挙げていませんが、6フレット以降も同じ押さえ方をすればマイナーコードです。

  • コード A#m = Bm の押さえ方
    コードA♯m=B♭mの押さえ方の指板図
  • コード Bm の押さえ方
    コードBmの押さえ方の指板図
  • コード Cm の押さえ方
    コードCmの押さえ方の指板図
  • コード C#m = Dm の押さえ方
    コードC♯m=D♭mの押さえ方の指板図
  • コード Dm の押さえ方
    コードDmの押さえ方の指板図

マイナーコード(5弦編)

5弦の音名が基準のマイナーコードは、押さえ方に少し複雑を感じることが多いかと思います。また、人によっては薬指の押弦記号で押さえるフレットを小指の押弦記号に変えても良いでしょう。

ずれるセブンスコード

  • コード F7 の押さえ方
    コードF7の押さえ方の指板図
  • コード F#7 = G7 の押さえ方
    コードF♯7=G♭7の押さえ方の指板図
  • コード G7 の押さえ方
    コードG7の押さえ方の指板図
  • コード G#7 = A7 の押さえ方
    コードG♯7=A♭7の押さえ方の指板図
  • コード A7 の押さえ方
    コードA7の押さえ方の指板図

セブンスコード(6弦編part1)

このセブンスコードを押さえるのは難しく、特にF7は最もフレット幅が広いポジションなので、手の小さい人が押さえるには、かなり厳しいセブンスコードです。

  • コード F7 の押さえ方
    コードF7の押さえ方の指板図
  • コード F#7 = G7 の押さえ方
    コードF♯7=G♭7の押さえ方の指板図
  • コード G7 の押さえ方
    コードG7の押さえ方の指板図
  • コード G#7 = A7 の押さえ方
    コードG♯7=A♭7の押さえ方の指板図
  • コード A7 の押さえ方
    コードA7の押さえ方の指板図

セブンスコード(6弦編part2)

1つ前のセブンスコードに比べると、楽に押さえられるかと思います。ただ、このセブンスコードは音域が下がっているので、聴き取り辛いセブンスコードかもしれません。

  • コード A#7 = B7 の押さえ方
    コードA♯7=B♭7の押さえ方の指板図
  • コード B7 の押さえ方
    コードB7の押さえ方の指板図
  • コード C7 の押さえ方
    コードC7の押さえ方の指板図
  • コード C#7 = D7 の押さえ方
    コードC♯7=D♭7の押さえ方の指板図
  • コード D7 の押さえ方
    コードD7の押さえ方の指板図

セブンスコード(5弦編part1)

人差し指のバレーコードさえクリアすれば、覚え易く使い易いセブンスコードかと思われます。手の大きさによっては、小指の押弦記号薬指の押弦記号に変えても良いでしょう。

  • コード A#7 = B7 の押さえ方
    コードA♯7=B♭7の押さえ方の指板図
  • コード B7 の押さえ方
    コードB7の押さえ方の指板図
  • コード C7 の押さえ方
    コードC7の押さえ方の指板図
  • コード C#7 = D7 の押さえ方
    コードC♯7=D♭7の押さえ方の指板図
  • コード D7 の押さえ方
    コードD7の押さえ方の指板図

セブンスコード(5弦編part2)

1つ前のセブンスコードの1弦を押さえていたのが、4弦に変わったセブンスコードで、音域が下がっている分だけ音が控えめに感じられるでしょう。

  • コード B7 の押さえ方
    コードB7の押さえ方の指板図
  • コード C7 の押さえ方
    コードC7の押さえ方の指板図
  • コード C#7 = D7 の押さえ方
    コードC♯7=D♭7の押さえ方の指板図
  • コード D7 の押さえ方
    コードD7の押さえ方の指板図
  • コード D#7 = E7 の押さえ方
    コードD♯7=E♭7の押さえ方の指板図

セブンスコード(5弦編part3)

B7だけ押さえる指が違いますが、もしC7からB7の流れで押さえる時などは、C7で押さえていた指を、そのままずらしてやる方が押さえ易いと思います。

  • コード D#7 = E7 の押さえ方
    コードD♯7=E♭7の押さえ方の指板図
  • コード E7 の押さえ方
    コードE7の押さえ方の指板図
  • コード F7 の押さえ方
    コードF7の押さえ方の指板図
  • コード F#7 = G7 の押さえ方
    コードF♯7=G♭7の押さえ方の指板図
  • コード G7 の押さえ方
    コードG7の押さえ方の指板図

セブンスコード(4弦編)

このセブンスコードを使う機会は多くないと思いますが、6弦や5弦ばかりではなく、4弦の音名を基準にずらして使えるコードもあります。

コードの種類はたくさん

コードの種類は他にもたくさんあり、やはりそれらも、ずらして使えるものがあります。しかし、それらを全て覚える必要もなく、そういうコードの押さえ方がある、というのが分かれば十分です。

記事終了
このページのまとめ
  • 同じコードでも押さえ方は複数ある。
  • 同種のコードはずらして使える。
  • 最低音の音名が基準になる。