クラシックギターは主にフィンガーピッキングで弾きますが、フィンガーピッキングはピック弾きで押さえるコードと、少し違う場合もあります。幾つかのメジャーコードを例に挙げ、フィンガーピッキングとピック弾きで押さえるメジャーコードを、比較しながら見ていきましょう。
C(シー・メジャー)

コードCの押さえ方
先ずはコードCです。左の指板がフィンガーピッキングの押さえ方、右の指板がピック弾きの押さえ方です。ピック弾きの場合は、4弦2フレットを中指で押さえますが、フィンガーピッキングの場合は4弦を弾かないので、中指で押さえる必要がないわけです。
開放弦は押弦しないで弾く
指板にあるは開放弦を弾く事を意味しており、つまりはその弦のフレットを押さえないで弾いてやります。
がない弦に関しては弾かないでください。

コードCを弾く練習
5弦を親指ので、3弦を人差し指の
で、2弦を中指の
で、1弦を
で弾くのが普通ですが、これ以外のフィンガーピッキングになっても問題ありません。先ずはテンポを十分に落とし、ゆっくりと弾いていきましょう。
コードは1種類につき複数
コードの押さえ方は1種類につき1つだけとは限らず、複数あるのが普通です。ここでは最も多いメジャーコードの押さえ方で説明していきます。
D(ディー・メジャー)

コードDの押さえ方
コードDはフィンガーピッキングでも、ピック弾きでも押さえるフレットは同じです。上記のように人差し指・中指・薬指の3本で押弦すると表記される事が多いですが、バレーコードを利用したコードDもよく見られる押弦です。

コードDを弾く練習
ここでのコードDの根音は4弦0フレットですが、最後は根音が5弦0フレットになっています。これは正確にはコードDではないですが、5弦0フレットはコードDの構成音にある音で、こんな風にコードの構成音を根音にする事もよくあります。
根音はコードを支える音
根音(こんおん)は英語でルートとも言われ、コードを支える一番下の音という意味です。
E(イー・メジャー)

コードEの押さえ方
フィンガーピッキングのコードEは、3弦1フレットだけを押さえれば良いので簡単なコードです。全ての弦を弾きたければピック弾きのコードEのように、4弦と5弦を薬指と中指で押さえてやりましょう。

コードEを弾く練習
2小節目のフィンガーピッキングは、コードEを1音ずつ弾くアルペジオ奏法です。最初に親指ので、根音の4弦0フレットを弾きます。後は人差し指の
と、中指の
と、薬指の
を器用に使い分けないといけません。音量やテンポにバラつきが出ないように気を付けましょう。
F(エフ・メジャー)

コードFの押さえ方
ギターのコードで最初に挫折するのが、このコードFだという場合が多いです。しかし、フィンガーピッキングのコードFだと、人差し指のバレーコードの他には、3弦2フレットを中指で押さえるだけなので、ピック弾きのコードFよりは、かなり楽に感じられるかと思います。

コードFを弾く練習
フィンガーピッキングで4つの音を同時に弾く時は、・
・
・
の4本を使わなければいけませんが、それ以外の場合は、2弦を人差し指の
で弾き、1弦を中指の
で弾いたりしても良いでしょう。
ミュートで音を消す
1小節目で全ての音が一瞬だけ止まる時があり、フレットに押さえ込んでいた弦を浮かして音を止めますが、同時に・
・
・
の指も弦に触れさせてやり、音を完全に止め切ってしまいましょう。この音を止める演奏テクニックは、ミュートと言われたりします。
G(ジー・メジャー)

コードGの押さえ方
コードGは6弦3フレットを薬指で押さえ、1弦3フレットを小指で押さえるという、少し器用な運指をとります。これを嫌う人は小指を使わないコードGの押さえ方をする人も居り、それでも問題ありません。

コードGを弾く練習
1小節目の途中に中指か人差し指で、5弦2フレットを押さえる必要があります。なので、ピック弾きのコードGの押さえ方をしなければいけません。最初から押さえておいても良いですが、5弦2フレットを弾く直前に押弦しても、意外と間に合うと思います。
A(エー・メジャー)

コードAの押さえ方
上記のフィンガーピッキングの場合、2弦2フレットを中指、3弦2フレットを人差し指で押さえていますが、ピック弾きのように、2弦2フレットを薬指、3弦2フレットを中指で押さえても何ら問題ありません。むしろその方が都合の良い時があるので、運指も臨機応変に対処していきましょう。

コードAを弾く練習
2弦2フレットと1弦0フレットの二音を弾く時ですが、指示の通り弾こうとすると、2弦を中指ので、1弦を薬指の
となります。
が入るとピッキングし辛い人は、2弦を人差し指の
で、1弦を中指の
で弾いても良いでしょう。
B(エー・メジャー)

コードBの押さえ方
人差し指によるバレーコードは、5弦から1弦を押さえれば良いですが、6弦を全てバレーコードで押さえてしまうのも良いでしょう。ピック弾きのコードBは中指で4弦4フレットを押さえますが、これはかなり難しい運指だと思います。

コードBを弾く練習
2小節目の途中まではアルペジオで弾きますが、1音ずつが綺麗な音で鳴るようにしてやりましょう。根音である5弦2フレットの音に、他の音が乗っているという事も、意識できればより良いでしょう。

- メジャーコードは明るく楽しい響きのするコード。
- 弾き方によっては押さえるフレットを省ける場合もある。
- ここで紹介したメジャーコードは代表的なものだけ。