ギターの指板(しばん)は弦とフレットで、出せる音が区切られています。その指板にはド・レ・ミ・ファ・ソ・ラ・シ・ドの音名が、個々に割り振られています。また、その指板の音名には並び方に規則性があるので、それらについて少しでも知っておくと、演奏に役立つはずです。
ギター指板の音名
ギターなら英語音名
音楽の授業で使われるド・レ・ミは、イタリアが元になっている音名です。日本独自の音名はハ・ニ・ホですが、あまり使わないと思います。ギターを演奏していく上で、最も使われているのはC・D・Eの英語音名で、英語音名さえ覚えておけば先ず困らないでしょう。
指板の音名は暗記必須?
上記がギター指板の音名ですが、直ぐに覚えないとギターが弾けないのか、と言われれば全くそんなことはありません。覚えなくてもギターは楽しめるので、少しずつ覚えていけば十分です。また指板の音名の並び方には、ちょっとした規則性みたいなものがあるので、以下を参考にしてください。
オクターブポジション①
オクターブというのは音が上下に一回りする事で、音の高さこそ違いますが同じ音名になります。上記は5弦と4弦、4弦と1弦のオクターブポジションを表記した指板です。5弦と2弦、4弦と1弦の組み合わせを守れば、8フレット以降でもオクターブの関係性を保ちます。
オクターブポジション②
オクターブポジションは他にもあり、6弦と4弦、5弦と3弦なら上記のようなオクターブポジションが成立します。やはり8フレット以降でも、同じオクターブポジションが保たれます。
オクターブポジション③
今度は4弦と2弦、3弦と1弦のオクターブポジションですが、先ほどのオクターブポジションとは、1フレット分ずれているので気をつけましょう。
オクターブポジション④
最後は6弦と1弦のオクターブポジションですが、このオクターブは2倍の2オクターブの距離があります。2オクターブの差はありますが、やはり同じ音名なのが分かります。
オクターブは綺麗にハモる
このようにオクターブポジションを覚えておけば、音名を探すヒントになると思います。またオクターブは同じ音名だけに、同時に鳴らすと綺麗にハモるというのも特徴です。
同じ弦の12フレット先
0フレット目と12フレット目の音名に注目すると、全く同じ音名なのが分かります。1フレット目と13フレット目、2フレット目と14フレット目でもそうであるように、ギターは同じ弦の12フレット先が1オクターブという構造になっています。
異弦同音(いげんどうおん)
異弦同音は同じ高さの音
色分けされた同じ音名が指板に記してありますが、これらは異弦同音(いげんどうおん)という関係にあるフレットで、全く同じ高さの音が出せるのです。上記にも示すC音・A音・B音・D音を例に挙げ、異弦同音の仕組みを見ていきましょう。
異弦同音のC音
5弦3フレットのC音に注目しましょう。その5弦3フレットのC音から、右にフレット5つ分進んだ一本下の弦が、5弦3フレットと異弦同音になる、6弦8フレットのC音です。
異弦同音のA音
4弦7フレットのA音に注目しましょう。その4弦7フレットのA音から、左にフレット5つ分戻った一本上の弦が、4弦7フレットと異弦同音になる、3弦2フレットのA音です。
異弦同音の仕組み①
このように、あるフレットから左右にフレット5つ分移動した、上下の弦が異弦同音となります。しかし、常にフレット5つ分とは限らず、弦が違ってくると変化が見れます。次を見てみましょう。
異弦同音のB音
2弦0フレットのB音に注目しましょう。その2弦0フレットのB音から、右にフレット4つ分進んだ一本下の弦が、2弦0フレットと異弦同音になる、3弦4フレットのB音です。
異弦同音のD音
3弦7フレットのD音に注目しましょう。その3弦7フレットのD音から、左にフレット4つ分戻った一本上の弦が、2弦7フレットと異弦同音になる、2弦3フレットのD音です。
異弦同音の仕組み②
どのような時にフレット4つ分の移動になるのかと言えば、2弦と3弦で数える時に限り、フレット4つ分の移動になる分けです。
異弦同音で選べる
音名によっては異弦同音で選べる音が複数あります。1弦0フレットのE音を基準とするなら、2弦5フレットのE音、3弦9フレットのE音、4弦14フレットのE音、5弦19フレとのE音も、異弦同音で同じ高さの音が出せるので、演奏によって都合の良いフレットを選べば良いでしょう。
音圧や響きの違い
異弦同音では同じ高さの音が出せますが、弾く弦の太さが違ってくる為に、音圧や響きに違いが生まれてきます。耳が肥えてくると異弦同音でも全く違った印象を受けるので、演奏に合わせて音を選ぶと良いでしょう。
- ギタリストは英語音名を覚える事が多い。
- 指板の音名は大事だが暗記必須でもない。
- 異弦同音の仕組みを知っておくと便利。